さそりのブログなんです

やりたくないことは、やりたくないわ。

奥村チヨの「恋の奴隷」は、なぜ笑えるのか

あなたと逢った その日から

恋の奴隷に なりました

あなたの膝に からみつく

子犬のように

だからいつも そばにおいてね

邪魔しないから

悪いときは どうぞぶってね

あなた好みの あなた好みの

女になりたい


恋の奴隷 奥村チヨ 1993


「恋の奴隷」は、


なかにし礼が作詞を担当、鈴木邦彦が作曲を手がけた、奥村チヨの大ヒット曲である。


昭和44年にリリースされたレコードは、100万枚の売上を記録した。


以下では、「恋の奴隷」は、なぜおもしろいのかを考える。


まだこの曲を聞いたことがないという人は、いちど上のyoutube動画を見てから、


読んでみてほしい。



結論から言うと、タイトルにある問いの理由は、次のとおりである。


恋の奴隷は、女のようで、じつは男の方だからだ。


わかりやすく、順に説明していこう。


そもそも歌詞には、あなたと一緒にいるためならなんでもする、という従順な気持ちを、


女が男に伝える言葉が綴られている。


だから「恋の奴隷」は、言ってみれば、男に対する女の服従宣言だ。


一方、「恋の奴隷」を聞いているときの男の表情を想像してみよう。


奥村チヨが「あなたと〜」と歌い始めると、男はどうなるか。


まず、口がすぼまって、目がいつもの1.3倍の大きさに開き、頬と口角がきゅっと上がる。


そして、

あなた好みの あなた好みの

女になりたい


と奥村が1番を歌い終わると、男は頬を緩め歯を見せて、吐息を漏らしながら言うはずだ。


「…いい!」


ここでポイントなのは、そういった男の反応は、本能的なものであるということだ。


男は女に、


「たまにこうして会ってくれるだけですごく嬉しい」


「わたしに悪いことをしたかもって、気にしなくていいよ」


「おとなしくしてるから、そばにいさせてね」


…とか言われると、どうしようもなく


「この子を可愛がらねば!」


と思ってしまう生きものである。


そんなことを言われたら、男は何も言えない。


「わかった」と言うしかない。


すなわち、女の服従宣言に対して、男は奴隷だ。


「恋の奴隷」の歌詞は、わたしは恋の奴隷になった、と女が告白しているだけであって、


実際に男に惚れているのかはわからない。


一方で「恋の奴隷」を女に歌われた男は、


間違いなく落ちる。


奥村チヨは、本当に恋の奴隷なのは、あんただよと、


ぼくたちに教えてくれるのである。


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